2016/11/20 06:29
飾ってみましょう!その2・額ではないもので飾る
額に入れると作品はグッとよく見えます。それはちょうど、衣装を身に着けるようなものです。洋風にも和風にも、入れ物ひとつ、衣ひとつで雰囲気も変わるのです。しかし、額以外の方法でも飾ることはできます。
2 額ではないもので飾る
①掛け軸
日本の家屋では、古来より床の間という素晴らしい場所があります。そこに飾られているのは掛け軸です。掛け軸は、くるくると巻いて小さく収納でき、飾る時に広げて楽しみます。またそれにより、簡単に掛けかえられるので、季節にあわせて違うものを飾ることができます。額のように、ガラス面で光が反射して見えないということもありせん。とても優れたものなのです。
書や日本画の作家は、表具店で作ってもらいます。一般的には、画廊や専門店、骨董店などで掛け軸そのものをというより、作品として掛け軸を購入するのです。
しかし、ここでは、小さな作品をどう飾るかということですから、そんなに大変なことではありません。書道の専門店などでは、はがきや短冊サイズの作品を入れるための小さな掛け軸を購入することができます。もちろん、本格的に表装を習って作ることも可能ですが、もっと簡単に、布あるいは紙と軸棒と糸で、自作することもできます。
日本の住宅のやわらかな光の中で、作品そのもののディテールを、ガラス越しでなく見ることができます。直接的に、微妙な凸凹、立体感を感じることができるのです。これが、美術館ではなく、自宅で、作品を鑑賞できる醍醐味です。だから、どんなに小さくても、印刷物やコピーではなく、本物の作品を見ていたいものです。
小さな掛け軸に飾ってみては、という提案でした。